日本はマーケティング後進国?

 マーケティングの世界大会が都内で開かれました。大会のテーマは「21世紀型マーケティング」でしたが、議論はたびたび「日本はマーケティング後進国なのか」という話題に及んだそうです。

マーケティングとは、日本では「市場調査」と置き換えられ、多くの企業では広告・宣伝、販売促進などの業務を表していることが多いのですが、それでは十分ではないようです。その道の権威といわれる、米ノースウエスタン大学のコトラー氏の定義では「企業の業績向上と顧客の満足の創造によって、人々の生活の改善をめざす学問」となっていて、日本で考えられているよりも間口は広く、奥行きもあります。

後進国」と言われても、日本の多くの大学にはマーケティングの講座がありますし、書店には多くの関連書が並んでいます。

なぜ「後進国」なのだろうかと日本マーケティング協会や専門家に質問した結果、「日本の技術は優秀だったため1990年ぐらいまでは高機能、高性能だけで商品が売れた。そのためマーケティングは軽視され、いまだにその成功体験から抜け出せていない。」そして、「もう機能や性能だけで差別化するのは難しい。顧客が何を望んでいるかを踏まえ、新しい生活様式、感動も提案しなければいけない。でも、顧客視点が欠けていたからできなかった」という分析結果が出たようです。

しかし、最近の炊飯器、洗濯機、エアコン等の白物家電を見ると、「よりおいしいごはんを」、「高齢者にも扱いやすい重さに」、「もっと使いやすい構造に」、「より快適に」といったお客様目線考えた製品が増えており、中国からの観光客が免税店で炊飯器を何台も買い込んだりして、売り上げを伸ばしている様に思います。このことを考えると決して日本は後進国ではなく、これからなのだと思います。

藤木