女性管理職を増やす

 女性の管理職を増やすため、数値目標を導入する企業が増えてきています。国際化に向けて多様な人材は不可欠で、安倍政権成長戦略の中で女性の活躍を掲げて後押ししています。

安倍政権は中央省庁の幹部人事のなかで、法務省経済産業省で初めて女性を局長に起用するなど「女性の活躍支援」を進めていこうとしています。今回の人事で対象となった11府省庁のうち、法務、経済産業、外務、厚生労働の4省で女性を局長に任命し、約210の幹部ポスト全体で15人を登用し、現状の8人から倍増させました。

企業においても、女性の積極的な登用を社内に意識させるために、女性管理職の数値目標を導入しようとしています。これは、政府が成長戦略で20年までに3割に増やす目標を掲げたことも追い風となっているようです。

日立は昨春、2020年度までに8年かけて、国内を中心に女性管理職を2・5倍の1千人に増やす目標を発表しました。中西宏明会長は「グローバル化を進めるには、文化習慣や国籍の壁を乗り越える必要があり、女性の登用はその第一歩」と話しています。三菱重工業は、20年までに管理職に就く女性を今の3倍の約250人に増やす目標を発表し、ソニーの女性管理職は現在約5%。昨年初めて20年までに15%に引き上げる目標を打ち出して、管理職を目指す女性を増やすための「リーダー塾」も結成しています。

一方、先行して数値目標を導入した企業では、成果も出ています。資生堂では、目標を掲げた05年に11・7%だった比率が13年度末には倍以上の26・8%まで上がっています。また、日産自動車も04年に女性を生かす組織を立ち上げて以降、女性管理職の比率は約4倍になっており、カルロス・ゴーン社長は、女性管理職について「会社の競争力を高め、市場や顧客に対応するために必要だ」と語っています。

このように、企業が女性管理職の数値目標を決めて、その実現を目指して活動していく中で、女性の働き易い環境が作られていくことに期待したいと思います。

藤木